● 地理と歴史
マレー半島南端に位置する都市国家。国の面積は約716km2で東京23区とほぼ同じ。赤道直下に位置するため、年間を通して高温多湿である。
現代シンガポールは、1819年、イギリス東インド会社のトーマス・ラッフルズが上陸し商館が建設されたことに始まる。1826年には英国の海峡植民地のひとつになり、第二次世界大戦中の1942年から終戦までは日本軍が占領した。1963年、マレーシア成立に伴いその一州として独立、その2年後にはマレーシアから分離独立することになった。その後は、初代首相リー・クアンユーの強力なリーダーシップにより、著しい経済発展をとげた。積極的な外資導入策により、欧米企業のほか日本、中国、インドなどアジアからの企業進出も多い。
● 社会
シンガポールは華人(約74%)、マレー系(約13%)、インド系(約9%)を中心として構成された多民族国家である。民族それぞれの文化や風習を守りながら共存している。宗教は、華人は中国宗教(仏教や道教)、マレー系はイスラム教、インド系はヒンドゥー教が多く、またキリスト教信者も多い。
学校教育では英語とともに各民族の言語を必須科目とする2言語政策がとられており、ほとんどの人が2つ以上の言語を解する。また、生活の場では「Singlish」と呼ばれる、独特の文法・発音の英語が使われることも多いが、ビジネスの場では通常の英語が使われている。