● 地理
フィリピンは、フィリピン海、セレベス海に囲まれ、大小7641の島々から成る、インドネシアに次いで世界第7位の群島国家である。ルソン島をはじめ、ミンダナオ島など主要11島で国の総面積の96%を占めている。
マレー系の民族が人口の90%を占める。その中ではタガログ族が最大で約28%で、以下、セブアノ族、イロカノ族、ビサヤ族など多くの民族に分類される。中国系、スペイン系との混血も少なくない。
高温多湿の熱帯モンスーン気候で、季節は、雨季(6~10月)と乾季(11~5月)に分かれる。マニラの年間平均気温は26.7℃で、1年を通して4℃程度の気温変化しかない。
● 歴史
フィリピン群島にマレー系民族が定住し、東南アジアと東アジアを結ぶ拠点として、交易が盛んに行われていた。大航海時代の16世紀に、ポルトガル人のマゼランが来航し、その後、スペインによる支配が続いた。1898年、スペインが米国との米西戦争で敗れ、最初の大統領アギナルドが独立を宣言し、第一共和国が誕生した。ところがアメリカがフィリピンの統治権を奪ったことから米比戦争に発展し、第一共和国は崩壊。1934年にフィリピン自治領がスタートした。真の独立国家になったのは、第二次大戦後の1946年になってから。
現在はロドリゴ・ドゥテルテ大統領のもと、海外からの投資の拡大を図っている。
● 社会
フィリピンは東ティモールを除き東南アジア唯一のキリスト教国で、キリスト教徒は、フィリピンの全人口の90%以上を占める。キリスト教はスペインの植民地時代に広まった。そのため、今でもスペインが広めたローマ・カトリックの信者が多く、キリスト教徒のうちローマ・カトリックが83%、プロテスタントが9%となっている。キリスト教のほかには、スペイン人到来以前にもたらされたイスラム教が南部を中心に5%、仏教などが3%である。