2013年から施行された高等教育法により、大学の質の向上が進められつつある。国際水準を意識し、外国の大学との連携なども推進されている。
基本的な教育制度
ベトナムの義務教育は小学校の5年間のみ。初等・中等教育機関は、ほとんどが教育訓練省の管轄下に置かれ5-4-3制を採用している。小学校が5年間(6~11歳)、中学校が4年間(11~15歳)、高校が3年間(15~18歳)。高等教育機関である短期大学は3年間、大学は4年間(医学部などは6年間)、大学院前期課程(修士課程)は2年間、大学院後期課程(博士課程)は2年間である。このほか、高校、高等教育段階に相当する専門学校や職業訓練を主として行う教育機関もある。大学の多くは国立。日本の短期大学や専門学校にあたる教育機関を「大学」と称する場合もある。
質向上と国際化が課題の高等教育
大学の多くは国立で、大学をはじめとする高等教育機関や語学学校はホーチミン、ハノイ、フエなどの都市部に集中している。地方にある大学と都市部の比較的新しい大学のレベルアップが課題となっているが、近年、海外の大学の支援を受けてハノイ国家経済大学の開発経済学修士コースなどでは高水準の教育が行われている。2013年1月からは高等教育法が施行され、高等教育の質の向上が図られてきた。ベトナムRMIT大学やベトナム英国大学のように外資系大学の設立が認められ、日本とベトナムの共同事業として国際水準の日越大学をハノイ市に設立する計画も進められている。
高等教育機関の管轄は、教育訓練省の直接の管轄下にある大学と、そのほかの省庁が管轄する大学(司法省管轄のハノイ法科大学、建設省管轄のハノイ建築大学、厚生省管轄のハノイ医科大学など)に分かれている。初等・中等教育機関は、ほとんどが教育訓練省の管轄下に置かれている。
大学では理工系を中心に産学連携プログラムが実施されているが、先端技術の研究・開発というよりは、作業の代行的な内容となっている。
特徴的なプログラム
ベトナム語を学ぶには、私立の語学学校か大学の語学講座に参加する。ホーチミン、ハノイ、フエなどの都市には英語を手ごろな価格で学べる学校があり、近年、英語学校への注目度が高い。ベトナムの文化を学ぶプログラムには、通訳がつくものもあり、ベトナム語がわからなくても参加できる。人気のあるプログラムは、アオザイ作り、ベトナム料理、陶器の絵づけ、ベトナムの伝統音楽など。
〈留学に関する情報収集先〉
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