ほとんどの大学で英語が共通言語となっており、また生活費や学費も比較的安いなどの理由から、近年留学先として注目を集めている。
基本的な教育制度
義務教育は制度化されていないが、国民は11年間(中国系、インド系は12年間)の初等・中等教育を受ける権利があるとされている。小学校が6年間、中等教育は5年間の6-5制。
高等教育機関としては、ポリテクニック(2~3年間、総合技術専門学校)、師範学校(3年間、初等・中等教育の教師養成)、カレッジ(2~3年間)、大学(3~6年間)がある。
国立大学に適用してきた種族別入学枠(クォータ制)を2002年から撤廃した。また、かつては国立大学しか事実上認可していなかったが、1996年制定の「私立高等教育機関法」により理系を中心とした私立大学にも学位授与を認め、技術教育を行う専門学校も認可(大学に格上げ)するなどの改革を行った。これらの改革により、多くの学生に学びの機会が広がっている。
特徴的なプログラム
国語はマレー語だが、イギリスの植民地であった名残りもあり、現在でも英語が日常的に使われている。世界各国からの移住者やビジネスピープルも多く、英語学校も盛況。欧米に比べ低価格で英語が学べることもあり、近年海外からの語学留学生が増加している。語学学校では、中国語(北京語)のプログラムの提供も盛んである。
社会における教育の位置づけ
マレーシアは、人的資本の開発knowledge-based economy(K-economy=知識集約型経済)と教育に力を入れている。日本の支援も教育分野で多く行われている。代表的な例には、円借款に含まれるサラワク大学の創設などがある。
〈留学に関する情報収集先〉
・Education Malaysia Global Services (EMGS)
https://educationmalaysia.gov.my/
TEL:+603-2782-5888 (8:00-21:00)
マレーシアでの留学にあたり、教育機関の情報検索や学生ビザの手続き、ビザの進捗状況の確認ができるワンストップセンター。
参考文献 財務省ウェブサイト
http://www.mof.go.jp/
『高等教育支援のあり方 大学間・産学連携』国際協力銀行開発金融研究所