近年、学位制度の改革が行われ、多くの大学で英語またはそれ以外の外国語で受講できる国際課程が新設されている。
ドイツの教育制度
ドイツの義務教育は6歳からの9年間(州によっては10年間)。日本の小学校に当たる基礎学校を10歳で修了すると、大学進学を目指す人はギムナジウム(9年制)で学ぶ。実科学校(6年制・実業専門学校)、ハウプトシューレ(5年制・職業訓練校)などに進学する人もいる。学期は9、10~2月と3、4~7月の2学期制。
大学は総合大学のほか工科、教育、医学、芸術など各種専門大学があり、留学生も受け入れている。
認定制度
ドイツの大学は少数の例外を除いて州立である。大学の評価は民間機関によるランキングでしか測ることができない。
〈ドイツ学術交流会 大学ランキング(英語)〉
https://www.daad.de/deutschland/studienangebote/ranking/en/
ドイツの大学改革を推進するCHE と週刊紙Die Zeit の協力で作成されたドイツの大学ランキング情報を紹介するサイト。英語とドイツ語で検索可能。
留学生へ向けたプログラムが充実
international degree course と総称される、英語でも授業を行うコースを提供している高等教育機関が多い。外国人留学生およびドイツ人の帰国子女を主な対象として、自然科学や工学、ビジネス分野を中心に、学部・大学院の両レベルのプログラムが用意されている。
取得学位
総合大学で得られる学位として、以前は人文科学系や社会科学系の学位修了を証明するマギスター(magister)と、自然科学や工学、教育学、経済学などの学位修了を証明するディプローム(diplom)が主流だった。しかし、ヨーロッパ諸国が共同で進めてきた統一的な大学圏構築のためのボローニャ・プロセスの一環として、近年ドイツの大学でも学位制度が改革され、国際的に通用するバチェラー(bachelor)とマスター(master)の学位システムへの転換が行われた。バチェラーは最初に取得する履修課程であり、これを修了した後、専門性をさらに高めるために進むのがマスター課程という位置づけになる。