日本人留学生には、大学付属の語学研修機関や私立の語学学校で春・夏・冬の長期休暇に合わせて実施している短期語学研修プログラムが人気。期間も5日程度から数週間までと幅広い。
高等教育機関を教育部が監督
韓国の義務教育は6~15歳。6-3-3制を導入している。学期は2学期制で、3~8月(1学期)、9~2月(2学期)となっている。韓国の高等教育機関には大学、教育大学、専門大学、放送通信大学、開放大学、神学大学、看護大学などがある。大学、教育大学は4年制。医科と歯科は6年制。そのほかは2~4年制。
高等教育機関は、教育法と関連法令により、教育部の監督の下に運営されている。大学に入学するには入学試験がある。高校の成績と修学能力試験(共通試験)、各大学で実施する試験(論文試験もあり)に合格しなければならない。
英才教育プログラム
韓国では、2000年に「英才教育振興法」が制定され、小学生から高校生までを対象にしたエリート育成に力を入れている。韓国では全国的に名門大学へ入学するための大学受験競争が激しく、高校は有名大学を目指す入試準備校となっている。そのため高校教育は大学進学のためのカリキュラムが中心となり、それが創造的な学習能力を伸ばせない理由のひとつに挙げられている。「英才教育振興総合計画」は、筆記試験と学習評価により選抜された全国で1万人を超える子どもたちを対象に、放課後や週末、長期休暇中などに、学校教育の補習ではなく純粋に特別な英才教育プログラムを実施するものである。
また、飛び級も認められている。能力によっては5歳での初等教育早期入学も可能であり、所定の評価試験に合格すれば早期進級、早期卒業もできる。
学歴重視の韓国
韓国の大学・大学院への留学は、語学研修と違い、一度入ってしまうと転学などの方向修正が難しい。
韓国では希望する大学に入学した直後から、就職のための塾に通い就職活動の準備をする人が多い。4年生の冬に行われる筆記試験だけで就職が決まることが多いためだ。筆記試験科目は、分野によって異なるが、英語と一般常識が必須。就職準備のために通うのは、英語学校が多い。最近では、第2外国語として日本語と中国語の習得を目指している学生も増えている。韓国は、日本よりもずっと学歴を重視する国であるといえる。
大学全体と学部ごとの評価
大学に関しては教育団体が「大学総合評価」と専門分野ごとの「学科評価」を実施している。「大学総合評価」は各大学全体について教育目的、カリキュラム、財政、設備、アドミニストレーション、学生などの観点から評価。「学科評価」は各教育プログラムの質について、教育目標の水準、カリキュラム、学生サービス、教員の質、設備、アドミニストレーション、財政といった点から評価している。
〈韓国の教育関連機関〉
・KCUE
Korean Council for University Education
http://www.kcue.or.kr/
・KCCE
Korean Council for College Education
http://kcce.or.kr/
英語で授業を行う専門大学院も
韓国の大学院は、学術系の「一般大学院」のほか、専門職に携わる人材の育成に必要な実践的理論の適用と研究開発を主な目的とする「専門大学院」、主に夜間に授業が行われ、経営者、教師、技術者などとして現役で活躍中の人がさらなるレベルアップを目指す「特殊大学院」と大きく3つに分類されている。国際系の専門大学院の中には、英語のみですべての授業を行うコース(延世大学校の国際学大学院、高麗大学校の国際大学院など)もあり、韓国語よりは英語のほうが得意、という人に適している。
外国人留学生に人気の専攻「韓国学」
駐大阪韓国文化院の発表によると、外国人留学生(大学院課程)に人気のある学問に「韓国学」が挙げられている。韓国の大学院で韓国学を履修し、哲学・宗教、歴史、言語・文学・古典、美術、社会・民俗、政治・経済、教育・道徳などの分野で、修士号や博士号を取得する。留学生は母国へ帰国後、韓国学の教授や研究者として活躍している。
日本人留学生に人気の「語学留学」
ここでいう「語学留学」とは大学付属の語学研修機関や私立の語学学校が春・夏・冬の長期休暇に合わせて実施している短期語学研修プログラムである。期間も5日程度から数週間までと幅広いので、希望に合わせてコースが選べる。日本から留学する場合、90日以内の滞在であればビザが不要という点でも気軽である。多くの場合、韓国文化を理解するための多彩な見学・体験プログラムがカリキュラムに組み込まれていることも大きな魅力となっている。