NAFL1巻 よくある質問
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該当ページ | 質問 | 回答 |
─ | 統計データの数字が覚えきれません。 | テキストの数字を、細かく暗記する必要はありません。なぜなら、検定試験は主に選択式(選択肢の中から答えを一つ選ぶタイプ)の試験だからです。また、検定試験の問題は、数字を暗記さえしていれば解けるものではなく、背景や統計の傾向を理解していないと解けない問題も出題されます。ノートに、重要な数字や近年の変化、その背景をまとめるなどして、対策をしましょう。 |
─ | 日本語学習者数などの統計調査がたくさん載っていますが、こうした調査の最新版は、どうやって調べたらいいですか。 | テキストの内容は、毎年更新しておりますので、テキスト発行時点の最新情報となります。現在の最新情報は、テキストp.26-29でご紹介している各機関のホームページなどで確認していただくことができます。検定試験の問題は、数字を暗記さえしていれば解けるものではなく、背景や統計の傾向を理解していないと解けない問題も出題されますので、注意しましょう。 |
p.1 | 外国人研修制度と技能実習生についてお聞きします。研修制度は、技能実習生の制度がつくられたことによって、廃止されたり改正されたりしたのでしょうか。または、研修制度が実習生の制度になったということでしょうか。研修生・実習生の違いがよく分かりませんでした。 | 研修生、実習生の制度の違いを理解するには、その背景から理解する必要があるでしょう。 まず、「技能研修制度」とは、開発途上国への経済協力の一つで、技術や技能の習得を目的としていて、研修終了後は母国に戻り、習得した技術などを生かして活躍することを期待しています。この制度は多くの企業が海外に進出するようになった1980年代頃から始まりました。研修は潤沢に資金を持つ企業による「企業単独型」の取り組みとして行われ、その受け入れ態勢も様々でした。研修生の受け入れが可能な体力のある企業は限られ、中小企業などでの受け入れは困難でした。 このような状況を鑑み、1990年の改正入国管理法施行により「外国人研修制度」が発足し、「研修」という在留資格が設けられました。その結果、以前は大手企業に限られていた企業単独型の研修生受け入れだけでなく、海外拠点を持たない中小企業や商工会議所や農業協同組合などの団体が、研修生を受け入れること(団体管理型)も可能となりました。このような流れの中で整備されたのが、1993年の「外国人技能実習制度」です。研修1年、技能実習1年で最長2年「技能実習生」として実地訓練が受けられるようになりました。しかし一方で、労働不足解消のための安価な労働力として研修期間の1年目から制度が利用されるなどの問題も表面化してきました。 そうした問題に対応するため、2010年の入管法改正をうけ、①実務研修を行う場合には雇用契約に基づいて技能等を習得する活動を行うことが義務化され、②在留資格「技能実習」が創設されました。この制度改正により、来日2カ月目から技能実習生として雇用契約に基づく技能実習を3年間行える仕組みとなりました。 つまり、「研修」そのものを目的とするのか、実地訓練を通じて技能等を習得するのかが整理・整備されてきたのです。現在でも、就業は認められない「研修」という在留資格と、上記の技能実習制度の下で雇用契約を結び技能実習を実施する「技能実習」という在留資格が存在しており、「技能実習」については優良な監理団体・実習実施者において実習期間の延長(3年→5年)が認められるようにもなり、平成30年度現在では33万人が在留しています。 |
p.14 | 第二言語=外国語と考えてもいいのでしょうか。 | 第二外国語とは、一般的には母語(または第一言語)の次に習う言語のことを言います。大まかには「第二言語=外国語」と言えますが、厳密には違いがあります。日本人が日常的に英語を使って日本で生活しなければならない状況はほとんど考えられないので、日本の学校での英語教育は「外国語」に当たります。また、外国人のビジネスマンが日本語を一定期間勉強する場合も、日本語は「外国語」と見なされます。 これに対し、母語以外の言語で生活しなければならない場合の外国語は「第二言語」になります。例えば、日本に住んでいるアメリカ人が日本で就職し、日本語環境で仕事、生活する場合は、日本語を学ばなければなりません。その時に学習する日本語は「第二言語」となります。 |
p.14 | 母語と母国語の違いはなんですか。 | 母語と母国語の違いは、文字通り「国」にあります。つまり、「国籍」がかかわってきます。母語とは、子供が言葉を覚える際、最初に習得する言語を指します。これに対して、母国語は、「ある国民全体が用いる言語」というときに使用される概念で、国民全体が用いる言語の共通性を強調します。日本では、「母語」も「母国語」も日本語である場合がほとんどですが、世界的に見てみると、「母語」が「母国語」ではない場合がとても多いのです。例えば、移民の多いアメリカなどでは、国籍がアメリカであっても英語を母語としない人が大勢いるわけです。 |
p.31 | 「単純労働目的の入国を認めない日本で、労働力確保を主眼にできたこの制度は矛盾をはらんでおり、問題が多発した。」この1文と以後が良く分かりません。 | 技能実習制度は、テキストにもありますように、本来は発展途上国への経済協力を趣旨としています。実際、厚生労働省のホームページにも「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としている」と述べられています。この制度を企業が適切に利用し、また実習生が技能を身に付けて帰国し、母国の発展に寄与するのがあるべき姿です。 そうした本来の制度目的を理解して実習生を育成する研修先の企業が多いとはいえ、中にはこの制度を「低賃金の労働力確保」のために利用するケースもあったわけです。それは、そもそも日本は単純労働目的の入国を認めない方針でありならが、p.31「高度経済成長と少子化のために労働力不足に陥った中小企業などからの要望を受けて」とあるように、実際には「労働力確保」が目的であったという事情もあったからであり、その点をテキストでは「矛盾をはらんでいる」と述べています。 制度が改正されて、p.31下から3行目にあるように「最初から技能実習生として雇用契約」が結ばれ、労働基準法のもとで働けるようになるなど、「労働環境」が改善されたとはいえ、本来の制度設立の趣旨を離れ、受け入れる企業によっては労働力の確保を主眼にしているところがある実態は変わらず、根本的な矛盾は解決されていないのです。 |
p.98 | [10]「本当は」を「ほんとは」と発音するような場合について述べたものとして適当なものはどれですか。──という問題なのですが、どこのページに解説が書いてあるのか教えてください。 | 当該問題を解くにあたっては、p.19-22「1-9 音声の知識」をご参照ください。≪音声の省略・音変化の例≫≪縮約の例≫(灰色の背景になっている部分)という箇所で紹介されている現象を確認し、「本当は→ほんとは」がどの現象にあてはまるのかを考えてみましょう。 |